テーマ探索、ビジネスモデル開発
目的指向アプローチによる新規事業開発
◆一般的な新規事業テーマ探索の進め方(5つ)
1.情報分析型テーマ探索
弊社が“情報分析型テーマ探索”と呼んでいるアプローチは、簡単に言うと「成長分野を調査して、自社に合ったテーマを選ぶ」というテーマ探索の進め方のことです。この進め方は簡単に述べると次のようなものです。
・先ずは、世の中のトレンドや市場環境の調査を行なう。そして成長している分野、もしくは成長すると思われる分野を抽出する。
・その成長分野の中で市場の魅力度が高いもの、及び自社の強みが活かせると思われるものを候補テーマとして複数選定する。
・候補テーマが見えてくると各々の候補テーマについて、「どんな企業が参入しているのか」、また「どんな技術が必要となるのか」、「満たされていないニーズは何か」などの調査を行なう。
・これらの調査を行なった候補テーマについて、「差別化のアイデアが付加されているか」、「自社の強みは活かせるのか」、「担当者は強い思いを持っているか」などの項目で評価を行なった上で有望テーマを選定する
2.アイデア先行型テーマ探索
弊社が“アイデア先行型テーマ探索”と呼んでいるものは簡単に言うと、次のような進め方です。
・多くの事業アイデアを発想して、アイデア毎に市場動向、競合動向等を調べ、評価して選定する
新商品や新規事業を企画する際、アイデアを出すという活動はごく普通に行なわれていますが、改めて社会トレンドや成長市場の分析などをせずに、アイデアを多く発案するという活動がアイデア先行型テーマ探索です。
3.未来社会予測型テーマ探索
情報分析型テーマ探索に近い進め方ですが、私どもが“未来社会予測型テーマ探索”と呼ぶ進め方もあります。この進め方は、成長分野を探索するのではなく、未来の社会トレンドを分析し予測することからスタートします。
そして予測された社会において、生まれると予想できる新たなビジネスチャンスを考察し、そのチャンスに沿って新規事業のテーマを発案していくというものです。
4.技術トレンド分析型テーマ探索
弊社が、“技術トレンド分析型テーマ探索”と呼んでいる進め方は、簡単に言うと次のようなものです。
・技術トレンド情報を調査して、将来性有望でありかつ自社に合った技術をテーマ化する
技術が差別化していれば、それを利用したアプリケーション(商品)は差別化したユニークなものになる可能性が高い、という考え方が背景にあります。
5.流行のキーワード追求型テーマ探索(IoT、ドローン・・・)
ここ20年を振り返ってみても、多くの新しい言葉が生まれています。そして、多くの言葉が注目され、その言葉をきっかけとして新規事業が検討されています。たとえば、3Dプリンター、サービスロボット、IoT、クラウドソーシング、フィンテック、データマイニング、ビッグデータ、ブロックチェーン、ドローン、AIなど、挙げればたくさんあります。
このような流行のキーワードをきっかけとして、「自社にどのようなビジネスチャンスが生まれるのか」を考察し、有望なテーマを見つけていく進め方が流行のキーワード追求型テーマ探索となります。
◆進め方の特徴を理解して活用することが大切
5つの一般的な新規事業テーマ探索の進め方を紹介しましたが、各々長所と短所があるので特徴を理解した上で活用することが大切と考えます。
◆目的指向アプローチとは
1.目的指向のアプローチの目指すところ
目的指向のアプローチの目指すところは、オリジナリティある新しい商品・サービスカテゴリー(普通じゃないモノやコト)を発掘し、新規事業テーマとして発案し事業化することにあります。
先に、新規事業のテーマ探しの代表的な5つのアプローチを紹介しましたが、これらのアプローチに比較して、オリジナリティのある新しいカテゴリーを発案できる確率が高いことに特徴があります。
2.目的指向アプローチとは
目的指向アプローチを文章にすると次のようになります。
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顧客の目的に着目し、目的を徐々に絞込み、絞り込んだ目的に対して、それを実現する手段となる商品・サービスを後から考えていくというアプローチ。
商品・サービスの差別化を考えるのではなく、目的の差別化を考え、差別化した目的を実現する手段を考えれば、自ずと商品・サービスが差別化することになる。
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3.目的指向アプローチの全体像