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更新日 2017-12-22

新規事業テーマ探索プログラム

これまでのテーマ探索のアプローチと問題点

1-1.情報分析型テーマ探索


◆情報分析型テーマ探索の概要


世の中の変化の動向を調査・分析し、自社の強みを活かせるであろう成長分野へ早期に参入することを狙いとしてテーマを探索するアプローチがあります。 具体的には、社会のマクロ的な動向、技術動向、市場動向、競合動向などを調査・分析し、自社の資源との関係を考慮に入れて、新規事業の有望テーマを抽出するものです。 私共は、このアプローチを「情報分析型テーマ探索アプローチ」と呼んでいます。 このアプローチの基本構造は、以下のように示すことができます。また、進め方のイメージは、次頁に示しています。

◆情報分析型テーマ探索アプローチの推進イメージ


◆情報分析型テーマ探索アプローチの問題点

① 各社同じテーマに行き着いてしまう

前頁の推進イメージを見ても分かるように、情報源が限られており、そのため各社ほとんど同じ情報を収集し、分析することになります。同じ情報を論理的に分析を進めていけば、当然、既存事業が同業種であれば、同じ候補テーマに行き着くことになります。
 このことが、市場が立ち上がる直後から過当競争が始まってしまう大きな要因を思われます。

② 新規事業ではなく、“商品企画的な差別化”止まりになってしまう

 候補テーマが同じであっても、自社のオリジナリティを加えて差別化を図るということは当然行なわれることになります。しかし、明らかに先行する“先頭集団”に入っている場合は良いとしても、後発参入の立場の場合は、わずかな差別化では、差別化の意味を成さないことが多くなります。何故ならば、先行する企業が、既に同様に差別化を考えており、また、できる状況であることが多いためです。
 後発参入という立場になった場合には、商品企画的な差別化では、成功が難しい状況になります。

1-2.開発担当者の思い、感性主導型のテーマ探索


◆感性主導型テーマ探索の概要


 開発担当者(技術開発担当者)が、これまでの仕事や生活において出会った情報や、あるいは先端技術等の技術開発に関する課題情報に出会い、その情報に基づいて新規事業開発につながるようにテーマを検討し、設定するというアプローチがあります。
 メーカーの場合は、技術者がこのようなアプローチで新規事業の開発テーマを提案することが多く見受けられます。
 技術者は、一般に、新しい技術、いわゆる“面白い技術”に出会い、そして、その技術に課題がある場合には、従来にはないやり方(オリジナリティのあるやり方)で課題解決の方策を考える傾向にあります。そして、課題解決の技術的目処がついた時に、新規事業の開発テーマとして提案することになります。
 この場合、当然、新たな技術開発が何らかの顧客価値をつくることを信じてテーマを提案することになります。しかし、顧客価値をつくるであろう根拠は、“技術者の感性にある”と説明されることが多く見受けられます。
 私共は、このアプローチを「感性主導型テーマ探索アプローチ」と呼んでいます。
 このアプローチの基本構造は、以下のように示すことができます。


◆感性主導型テーマ探索アプローチの問題点


①技術開発価値と顧客価値との乖離の可能性
技術開発課題を解決することと、そのことが顧客価値を生む商品開発につながることとは基本的に異なるため、十分な検討が必要となります。しかし、新しくて面白い技術といういものは、出会ったことに幸運と興奮を感じることもあり、顧客価値を生むものと思い込まれる傾向があります。
 また、大学や先端の研究機関が開発しているために、その権威が、顧客価値を生むことは間違いないという評価を与えてしまうことも考えられます。
 技術者の発案や感性は、メーカーの新規事業には必要かつ不可欠なものです。しかし、顧客価値を生むかどうかは、別の観点での調査や検討が必要となります。

② 開発担当者の思いや感性を後付けで情報武装してしまう可能性
 感性主導型テーマ探索によって挙がってきたテーマにおいても、当然ながらテーマアップのための企画書を作成することになります。しかし、この場合、企画書のフォーマットが固定化されていることもあり、先にテーマの仮説があり、その仮説の正しさを後付けで情報武装するケースが見受けられます。
 「先に仮説ありき」ということを必ずしも否定はしませんが、仮説の正しさを証明する情報だけを選択し、後付けの論理で画一化された企画書を作成してしまうことは避ける必要があります。
 大切なことは、発案した仮説の根拠と顧客価値との関連であり、顧客価値の検証が曖昧になってしまい、極端な場合、“技術者の感性”ということが論拠になってしまうことが危惧されることです。

1-3.未来想像、夢実現型のテーマ探索


◆夢実現型テーマ探索の概要


 現状の延長線からの技術テーマの探索ではなく、夢を想像し、その夢の実現手段を考えていくという検討の中から、新規事業のテーマを探索していこうとするアプローチです。
 よく利用される“夢”としては、マンガ、特にSFマンガがあります。マンガの世界は、現状の延長線上ではなく、クリエイタの創造力によってつくられた未来があるとの考えから、利用されることが多いようです。また、美術大学など、芸術系の大学の学生に依頼し、未来を描いてもらうということも行なわれています。
 いずれにしても、夢を想像し、その実現のシナリオをつくっていく過程で、新規事業の開発テーマを検討・抽出し、選定していくアプローチのことで、私共は、このアプローチを「夢実現型テーマ探索アプローチ」と呼んでいます。
 このアプローチの基本構造は、以下のように示すことができます。

◆夢実現型テーマ探索アプローチの問題点


①検討結果として意外性の低いテーマ設定になる可能性
 未来を想像し、その実現のシナリオを考えていくのですが、実現のシナリオそのものは、自分達の把握している情報の範囲内で検討していくことになります。また、目的は自社にふさわしい開発テーマを発掘することにあるため、どうしても自社のできる範囲のテーマを考える傾向にあります。
 従って、夢を実現することを目標としながら、結果的には、意外性のあるものではなく、予想の範囲内のテーマになってしまうというケースが多く見受けられます。

② 未来の想像が抽象的になり、夢と非現実とが混在する可能性
 未来の想像には、特別な手法がある訳ではないため、マンガを参考にする、あるいは、自己流の未来想像になっているため、期待した未来想像とはならない危険があります。すなわち、夢と非現実な想像との区別がつかず、混在する可能性があります。
 未来の想像という抽象度の高いテーマを検討することは、実は簡単ではないものと思われます。


潜在ニーズの正体とビジネスチャンスの捉え方


 「潜在ニーズを掘り起こすことが大切である」と、よく言われますが、事例の紹介はあるものの、具体的にどのように掘り起こすのかというプロセスや方法論について、明確にしているものはほとんどないと思われます。
  多くの場合、潜在ニーズを掘り起こすことは、技術や商品、サービスなどの手段で達成されます。すなわち、ニーズの発見が先にあるのではなく、現実と理想(本質的欲求)とのギャップを埋める手段が潜在ニーズを喚起し、そのような技術や商品、サービスなどの手段がビジネスチャンスそのものであるということです。
 ブリッジAIアプローチとは、この考え方を基本にしており、現実と理想(本質的欲求)とのギャップを抽出し、そのギャップを埋める手段としての商品やサービスを創造していくことで、新規事業のテーマを発掘していくというものです。すなわち、潜在ニーズ指向により、独創性の高いテーマの発掘を実現するアプローチであり、誰もが簡単に考えつかないようなテーマの発掘を目指すものです。




ブリッジAIアプローチによるテーマ探索とは 


◆ブリッジAIアプローチとは

現実(Actuality)と理想(Ideal)とのギャップを潜在ニーズと捉え、それを埋める手段(Bridge)を能動的・効率的に発掘する推進方法のこと、を言います。

◆ブリッジAIアプローチとは

①従来、曖昧にしか捉えられていなかった“潜在ニーズ”を、明確に定義したことによ り、能動的なアプローチが可能となります。
②現実(Actuality)と理想(Ideal)とのギャップ(AIギャップ)には、ビジネスチャンスが存在する可能性が高く、効率的なアプローチが可能となります。
③AIギャップを出発点にするため、ニーズ指向のアプローチとなり、ニーズを外したテーマを設定することがなくなります。
④AIギャップを出発点にするため、技術者は自身の創造力を、手段を考えるということに注力させることができます。
⑤そのため、抽出される手段は、オリジナリティのあるものにつながる可能性が高くなります。


一言で「ビジネスモデル」と言っても、様々な解説がなされています。私共は、単に「e-ビジネス」をビジネスモデルと呼んでいるのではなく、また、単に従来とは「売り方が異なる事業」をビジネスモデルと呼んでいるわけでもありません。
 私共は、ビジネスモデルを、以下のような構造で捉えています。

ブリッジAIアプローチによるテーマ探索の推進概要

第1フェイズ.AIギャップコレクション


-ステップ1.新規事業サブドメインの設定

自社のふさわしい新規事業の探索領域の仮設定を行ないます。
どのような企業にも事業ドメインがあると思われますが、その中で、新規事業としてつくるべく事業の領域の概念を設定することは、探索活動に指針を与える意味と活動を効率化する意味で極めて大切なことです。
なお、ここで設定するドメインは、現状の事業ドメインの下部概念になるため、“サブドメイン”と呼んでいます。
ブリッジAIアプローチでは、初期段階で、このサブドメインの設定を行ないます。

-ステップ2.候補顧客の抽出

AIギャップは、ギャップを持つであろう対象者を決めない限り抽出することはできません。そのため、AIギャップの検討対象となる候補顧客の抽出を行ないます。
顧客は、大きくユーザー(利用者)とカスタマー(費用の出し手)に分けることができます。一般には、ユーザーとカスタマーは一致しますが、複雑なビジネスモデルの場合には、異なることがあります。代表的な例に、ポータルサイトがあります。ポータルサイトは、利用者は一般コンシューマですが、企業の拠出する広告費で成り立っており、費用の出し手は広告主である企業となります。
このように、ビジネスモデルのつくリ方によって、利用者と費用の出し手は異なることもあり、そのため、AIギャップ抽出の対象者は、利用者側も含めて検討することが必要と考えます。

-ステップ3.AIギャップコレクション

候補顧客のActuality(現実)を調査・把握します。生活や業務の実態、利用されている商品やサービス、また利用されている理由等を想像力を活かしながら現状を明らかにします。
次に、Ideal(理想)の設計を行ないます、この作業にあたっては、対象顧客に対する新商品や新サービス情報(特に、狙いと特徴)、あるいはコンサルティング会社などの専門サービス業のソリューション商品などは、比較的上位目的からの解決を狙いとするものが多く、これらを参考情報として活用します。
そして、現実と理想とのギャップを構造化し、AIギャップコレクションを作成します。

第1フェイズ.AIギャップコレクション


-ステップ4.手段探索、手段創造

AIギャップを埋めことに役立つ技術手段、ノウハウ探索を行ないます。探索対象は、自社内だけでなく、外部の研究機関、他社も対象となります。 また、これら手段を活用しながら、オリジナリティある手段の発想、創造作業を行ないます。
これまでの事業アイデアは、ニーズと手段との組合せを同時に発案するため、ニーズの存在と顧客価値が曖昧になる傾向にありました。本アプローチでは、この問題を軽減できるものとなります。
なお、抽出された手段は、AIギャップとの組合せにて構造化し、候補テーマとして設定することになります。

-ステップ5.候補顧客に対する受け入れ評価と修正

考案された候補テーマを、候補顧客に対して受け入れ調査を行ないます。
商品・サービスとして、使いやすい、あるいは購入しやすいものになっているかどうかの評価と、課題を抽出し、テーマの方向修正を行ないます。

-ステップ6.第1次ビジネスモデルの立案とテーマ設定

候補顧客の評価により選定され、また修正された有望テーマに対して、事業性の評価を行ないます。
事業性の評価にあたっては、収益を上げるための第1次ビジネスモデルの立案を行なうことになります。
ビジネスモデルの立案を行なった上で、事業規模、収益性、競合優位性等を考慮に入れた事業性評価を行い、有望テーマの優先順位づけとテーマ設定を行ないます。


適用事例


◆大手OA機器メーカー
  ⇒ネットビジネスへの参入に向けた事業モデル開発
◆大手化粧品メーカー
  ⇒新たな事業ドメインの設定と新商品企画
◆大手光学機器メーカー
  ⇒新デジタル教育機器のコンセプト開発、及び営業ルート開発
◆大手総合電器メーカー
  ⇒健康分野における新ソリューションビジネスの開発
◆大手情報機器メーカー
  ⇒セキュリティ分野への新規事業モデル開発と参入戦略づくり
◆大手総合電器メーカー
  ⇒健康分野における新コンセプト商品開発       等