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更新日 2017-12-22

もっと身近にスピンオフ 〜スピンオフの実践的解説〜

第10回 「挑戦に向かうエネルギーの源 その2」

株式会社リーディング・イノベーション
芦沢誉三(あしざわ よしぞう)


 今回も、前回に引き続き挑戦に向かうエネルギーの源について考えてみます。

 挑戦に向かうエネルギーの源とは、別の言い方をすると「挑戦したい動機」と いうことになりますが、この動機には様々なものがあります。たとえば、同期の 仲間の誰よりも出世したい、異性にモテるようになるために難しい仕事に挑戦す る、イラクの惨状を伝えるために危険を冒してでもイラク国内に入る、お金持ち になりたい、自分のやりたいことをやりたい、等々です。

 これらは、いずれも何らかの目的を持ち、それを達成したいという強いエネル ギーがあり、目的達成というリターンを得るために苦しいこと、難しいことに挑 戦するというものです。

 また、ちょっと古い話になりますが、次のような例があります。 「某大手メーカーの家電事業部が撤退に近い状態となっていた。事業部としては 次なる飯のタネをつくらなければならず、その対象として自動販売機を選択し、 この商品に賭けた。その時は、全社一丸となりエネルギーを結集し、この危機を 乗り切った。そして、結果として大きな事業に育っていった。」これは、間違い なく新規事業創出の成功例です。

 新規事業開発やベンチャー創業というと、必ずと言っていいほどリスクとリタ ーンという話が出てきます。この場合は、リスクを負わない限りリターンはない というものであり、リスクを負うからこそ挑戦するマインドが芽生えてくるとす る考え方です。しかし、私は、先にリスクありきという考え方にどうも違和感を 感じています。

 最初の節で挙げた例は、リスクより目的が挑戦心を生んでいます。また、自動 販売機の例は、これに賭けるしかないという迷いのなさが挑戦心を生んでいるよ うに感じます。私としては、この迷いのない状態が、実は、リスクより強い挑戦 の動機を生んでいると思っています。大きな目的を持ち、そしてもう迷わないと いう状態をつくり出すことが、挑戦心を生む大変重要な要素と思われます。

 自分の道を定め、これに賭けるという状態になった時に大きなエネルギーが芽 生えてくるものです。スピンオフも、そのような状態をつくり出す、ひとつの方 策と言えるのではないでしょうか。

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