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更新日 2017-12-22

もっと身近にスピンオフ 〜スピンオフの実践的解説〜

第6回「スピンオフの不安要因その3−チームをまとめる」

株式会社リーディング・イノベーション
芦沢誉三(あしざわ よしぞう)


 今回のテーマは、スピンオフベンチャーを運営していくために、いかにチーム をまとめていくかということについてです。

 一般に、チームをまとめていくにはリーダーシップが大切と言われています。 ただし、リーダーシップも誤った方向に行ってしまう場合もあります。ちょっと 極端かもしれませんが、次のような例があります。

 そのベンチャーは、役員をあわせても10人程度の企業です。当然その会社は机 を横に並べて仕事をしています。ところが、横に並んでいるにも関わらず隣がど んな仕事をしているのか分からないという現象が起きています。何故このような ことが起きているのかというと、リーダーである社長が、すべての指示を各個人 に1対1で行っており、従業員間の情報流通の仕組みがなく、そして、他のメン バーの仕事に関心を寄せなくなっているためです。

 では、何故リーダーはこのような指示の出し方をするのでしょうか。それは、 「決定を下し指示を出すのは自分なのだから、自分だけが全体も細部も知ってい れば問題ない。それがリーダーシップというものだ。」という考えがあるためで す。

 この例は、「リーダーシップ」が誤った解釈をされているケースであり、残念 ながらこのような組織からはチームワークというものが育ちません。では、スピ ンオフベンチャーにおいては、どのようにチームワークをつくっていけばよいの でしょうか。

 ベンチャーの場合は、社内プロジェクトとは“リスク”という点で大きな違い があり、チームメンバーにはある程度の覚悟というものがあります。このような 覚悟を持った集団をまとめていくには、やや抽象的ではありますが、理念やビジ ョンというものが極めて重要となります。理念やビジョンは、何も高尚なものを 言うのではなく、「世界で一番のものをつくる」「どこよりも早く届ける会社に なる」など、世の中に役に立つというインパクトのあるメッセージでよいのです。

 また、理念・ビジョンと共にもうひとつ大切なことがあります。それは、顧客 に価値を提供し収入を得ているというリアリティです。先に挙げた、誤ったリー ダーシップのベンチャーは、チームメンバーにリアリティを伝えることができて いません。顧客の喜びを共有化することもチームワークをつくる大きなポイント となります。

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