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更新日 2017-12-22

もっと身近にスピンオフ 〜スピンオフの実践的解説〜

第3回 「スピンオフとスピンアウト」

株式会社リーディング・イノベーション
芦沢誉三(あしざわ よしぞう)


 前回は、カーブアウトとMBOについて解説しましたが、今回はスピンオフとスピ ンアウトについて解説します。

 まず、スピンオフとスピンアウトの違いについてですが、日常的には、どちら も「会社を辞めて起業する」という意味で主に使われており、同義語になってい ます。
 同じ意味の言葉が2つ使われていますが、私見になりますが、スピンアウトと いう英語の、アウトという語の意味から、スピンアウトは飛び出すということを より強調された言葉になっていると思われます。

 弊社が事務局委託を受けました経済産業省主催の「スピンオフ研究会」では、 ペンシシルバニア大学ウォートン校のイアン・マクミラン教授は、「スピンアウ トとは、スピンアウトされる部門・出て行く人に対して企業がまったくかかわり をもちたくないと思っている場合で、スピンオフというのは今後もなんらかの関 係を企業が持ち続けたいと思っていることだ」と述べています。なお、米国では 狭義の「スピンオフ」として、新会社の株式を親会社の株式に割り当てる方式の みをさす場合があります。

 マクミラン教授の説明のようなスピンオフが日本の経済活性化には必要と考え ますが、私個人としては、コンセンサスの取れた定義が定着するまで、「会社を 辞めて起業する」という形態に対しては、スピンオフという言葉のみ使っていき たいと思います。

 ところで、このスピンオフについてですが、前回紹介したカーブアウトやMBOは 企業側の言葉であるのに対し、スピンオフ(あるいはスピンアウト)は、個人の 人生の選択肢を表している言葉としても捉えられます。すなわち、スピンオフは、 企業戦略としては、いままで日本ではあまり考えられていなかったものです。

 ところが、最近、スピンオフを企業側の戦略として利用しようとする動きが出 てきました。それが、私共の言葉で言う「戦略的スピンオフ」というものです。

 ただし、戦略的スピンオフは企業側の一方的な都合で行われるのではなく、個 人の意思も不可欠な要素になる所が、通常の戦略と大きく異なる点です。この点 が、特徴であり、また、その特徴があるがゆえに、特有の問題や課題が存在して います。

 以後は、スピンオフのケースを通じながら、特有の問題や課題について解説し ていきます。

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