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更新日 2017-12-22

欲求の本質に迫る

第31回 
口コミしたくなる動機

株式会社リーディング・イノベーション
芦沢誉三(あしざわ よしぞう)

マーケティングにおいて“口コミ”の威力は大きくなっています。
インターネット上でも、利用者からの口コミや感想は重要な情報となり、消費者の行動に大きく影響を与えており、また、リアルな世界での発信力のある主婦の組織化により、意図的に口コミによる情報伝達を促すようなことも行なわれています。

このように、如何に利用するかという検討が盛んに行なわれている“口コミ”という情報伝達手段ですが、これは口コミをしたい人(情報を無償で提供したいと思う人)が存在するから成り立つものです。では、何故、人は口コミによる情報伝達をしたいと思うのでしょうか。今回は、口コミをしたくなる動機についてDeep Thinkingしてみたいと思います。
現実に、口コミによる情報伝達が好きな人がいます。どちらかと言えば、女性に多いように感じます。

この“口コミをする人”は、自分が良いと感じた商品やサービス、あるいは、美味しいと感じた食品や飲食店に出会うと、その情報を友人に伝えたくなる衝動に駆られるようです。ただし、友人ならば誰にでも伝えるのかというと、そうではなく、内容によって、伝える人を選択しています。

たとえば、食べ物の話は、食べることが好きな友人に限定する、パワースポットなどスピリチュアルな話は、そのようなことが好きな人に限定するなどです。よく、考えてみると、皆さんも無意識の内に、話す内容に応じて、話す対象を選別しているのではないでしょうか。

では、何故、テーマによって口コミをする相手を選ぶのでしょうか。それは、恐らく話しをして興味を持たれなかった場合には、「人がせっかく親切で教えてあげたのに。つまらない。」という感情が芽生えた経験をしたからだと思います。一方、興味を示した場合には、新しい情報に喜び、「そんなに、美味しいの。今後買ってみる」という喜びの反応があったという経験をしているからだと思われます。そして、その友人が実際に食べて、「美味しかった」と言ってもらった時には自分も“うれしい”という感情が芽生えた。そんな経験をしているからと思われます。

後者の「友人を喜ばすことにつながった」時の“うれしさ”が、口コミをしたくなる動機となっているのではないでしょうか。

もう少し整理すると、新しい情報を保有していたことに対する“ちょっとした優越感”、小さな幸せを提供できたことに対する“幸せ貢献感”、同じように美味しいと感じてくれたことで得られる“共感”という、3つの“心地よい感情”が芽生えることが、口コミをしたくなる動機になっているように感じます。

商品やサービスを提供する側の企業としても、自社のものが、自然の口コミが行なわれていることが実感できれば、モチベーションのひとつにつながるのではないでしょうか。




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