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更新日 2017-12-22

欲求の本質に迫る

第15回  「お笑いタレントから政治家になって人気が出る不思議その2」

株式会社リーディング・イノベーション
芦沢誉三(あしざわ よしぞう)


 前回は、お笑いタレントから政治家になって人気の出る要素のひとつに、意外性があるという話をしました。そして、意外性は、人を魅力的に感じる重要な因子になっているということも、合わせてお話しました。

 今回は、他の要素について、Deep Thinkingしてみたいと思います。

 お笑い系出身の政治家の特徴には、話が上手く、時に笑いを織り交ぜて話をするということが挙げられます。すなわち、単純に、話が面白いということです。
政治家の話に限らないことかもしれませんが、政治家の話においては特に、笑いを織り交ぜて話をすると、“余裕”を感じるようです。最適の党首討論会を見ていると、笑いを織り交ぜていることが少なく、このことが、余裕がない印象につながっているのかもしれません。

 有名人からの転身組としては、俳優やスポーツ選手出身の政治家も多くいますが、お笑い系出身者と決定的に違う点は、話の面白さにあります。本来ならば、政策や実行力などが問われるところですが、瞬間的な面白さに、人は惹かれてしまう傾向にあるようです。

 さて、話をビジネスの世界に移してみます。

 ビジネスの世界においても、講演や研修などが多く行なわれており、たくさんの人が人前で話をしています。講演や研修の終了直後に、聴講者にアンケートを取り、その評価をしてもらうことが行なわれていますが、笑いの多かったものは、評価が高くなる傾向にあります。特に、「涙と笑いと感動」のある講演は、非常に評価が高くなります。

 本来ならば、自身の業務にどの程度役に立ったかということが評価の重要ポイントなのですが、むしろ、刹那的な感情に評価の力点が置かれることになります。

 本来の目的は十分に分かっていながら、刹那的な面白さや楽しさを求めてしまう。このような傾向は、間違いなく存在しているように思います。たとえば、エステサロンに通う場合も、「より美しくなる」という本来の目的を当然求めるのですが、友達になった人との「おしゃべりが楽しい」という要素が加わると、格段に満足度が高まります。
人は、本来の目的に加え、刹那的な面白さや楽しさを求める傾向にあるようです。

ただし、このことは、人間の本能なのか、あるいは、現代の日本人の特徴なのかは、もう少し深堀が必要と感じています。

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